自分自身の名刺をつくってみる
私は、自分の名刺を持つことが長年の夢でした。
かつて病気の理事長をしていたときも、名刺は持っていませんでした。
病院の理事長は、院長夫人だったことがゆえについてきた肩書であって、私自身掴んだキャリアとは言えません。
自分とは何か、何をしている人なのか、という肩書が欲しかったのです。
それからもう一つの夢は、「来週、出張で北海道に行くのよ」と言うことでした。
全国を股にかけるような仕事がしたかったのです。
その夢は叶って、私は会社を自分の力で立ち上げました。自分で作った会社の名刺に、自分の名前がある。
仕上がりをはじめて見た時は、胸が熱くなりました。
そして、今では北海道はもちろん、韓国やドイツなど海外に出張することもしばしばあります。
夢は叶うものなのです。
お勤めしている人なら、会社の名刺を持っているでしょう。
でも、それはあなた自身の人生の看板ではありません。
どんなにいい会社に勤めていたとしても、それは会社が評価されているだけで、あなたが評価されているわけではありません。
仕事から一歩離れた時、自分にある肩書きは何かを考えてみてほしいのです。
自分の肩書きとは、あなたがこれまでどんな生き方をしていたのか、これから何をしていきたいのか、という道しるべになるものです。
男性でも女性にでも、会社での肩書きはそこを辞めればなくなります。
でもあなたの人生は、会社をやめても終わりません。
たとえば、仕事では男勝りで重役の前で堂々とプレゼンテーションしていても、実は着物を着るのが好きで、お茶をたしなむなど、普段のしごとからは想像できない一面があったりするものです。
それが本来のあなたの姿ではないでしょうか。
自分の名刺を作ってみれば、本当の自分と向き合うきっかけにもなります。
一生、「◯◯会社の経理担当」「☓☓さんの妻」「△△ちゃんの母親」という肩書きだけでいいのでしょうか。
自分がどう生きたいのかを考えると、つきあう人も行く場所も、ファッションもすべてが変わってきます。
なにも難しく考える必要はありません。
「人を楽しませるのが好き」それも立派な看板です。
お菓子作りが得意、映画に詳しい、フェルト小物を作るのが上手・・・ほら、いくらでも看板になるような材料はありますよ。
それが他人からあなたの評価になり、肩書きになっていくのです。
メイクのことなら◯◯さん、おいしいお店の事なら☓☓さんというように。
そんな「自分ならでは」を磨いていきましょう。
あなた自身の人生の看板を自分の手で作ってみたら、
今までとは違う景色が見えてくるはずです。